Wise流個性と魅力でつながるクロス職人たち
2025/09/18
Wiseブログ新入社員は“ぽんこつ”が魅力?
-
社長仲宗根 -
スタッフ -
職人蒼生
- 編集部:
-
最近、新入社員が入ったそうですね。どうですか?
- 仲宗根:
-
蒼生っていうんだけど、すごく素直で、いい子。でも…ちょっと“ぽんこつ”なんですよ(笑)。
- 編集部:
-
“ぽんこつ”って、どのへんが?
- 仲宗根:
-
ちょっと抜けていたり、忘れものをしたり、車をぶつけてしまったり、何かを壊してしまったり。クロスを違う場所に貼ってしまったり、剥がさなくていいところまで剥がしてしまうこともあります。
でも、そんな時はきちんと謝るし、「すいませんっ!」ってすぐに連絡が入ります。
- 編集部:
-
怒らないんですか?
- 仲宗根:
-
笑っちゃう。「嘘でしょ、それやっちゃう?」って。うちは“ぽんこつの集まり”でいいと思ってて、みんなのいいとこで支え合えば、すごくいいチームになる。
- 仲宗根:
-
この前なんか、出社してきたら隣の車にバックでぶつけててね。それでも隣の会社の人が「気にしないでください」って言ってくれるくらい、周りに好かれる子なんだよ。
- スタッフ:
-
やっぱり好かれますよね。
昔の職人世界と、いまの現場
- 編集部:
-
昔は職人の世界って、殴る蹴るが当たり前と聞きますけど?
- 仲宗根:
-
殴る蹴るはなかったけど、物が飛んできたり罵声は普通。現場では大工さんが昔から一番偉いみたいな風潮があって、内装屋は下に見られることが多かった。ほんと悔しい思いをたくさんした。
- スタッフ:
-
内装って工事の最後だから、そういう立ち位置になりやすいんですよ。
- 編集部:
-
なるほど、それで「内装仕上げ業」っていうんですね。
- 仲宗根:
-
そう。でも今はうち、クロスも床もシートも全部できるし、専門職人ともすぐ連携できる。だからプロとして胸を張って「内装全般できます」と言える。
古い慣習を変える
- 編集部:
-
業界の体質について、どう思いますか?
- 仲宗根:
-
古い慣習が残っていて、職人の技術や手間に十分な価値を見出さない大手の会社などがまだ多い。一番は、職人がやったことにちゃんと対価が払われないこと。クロス張替でも、下地処理(パテ処理)にはお金が付かないのが当たり前。新築だと2日かける工程でも、工賃ゼロのケースがある。
- スタッフ:
-
だから職人も手を抜く方向になっちゃう。
- 編集部:
-
それじゃ技術は上がらないですよね。
- 仲宗根:
-
そう。しかも昔、景気が悪いときにクロス屋が自ら単価を下げて、それが今も当たり前になってる。材料の平米計算も、最初から0.8掛けとかで減らされるんだよ。
Wiseが選んだ道 ―
技術を正当に評価してくれる相手とだけ組む
- 斉藤:
-
そんな中で、Wiseはどう成長してきたんですか?
- 仲宗根:
-
職人の技術や手間に対して、十分な価値を見出さない大手の会社などや、だれがやっても仕上がりの差が見えにくい新築現場とは、もう仕事をしなくなりました。
代わりに組むようになったのは、“その現場のお家で暮らすご家族”のことを本気で考えている町のリフォーム会社。
仕事の大きさや売上よりも、その会社の社長の考え方や姿勢に惚れて、一緒にやらせてもらうことが多いんです。
Wiseのメンバーも単にクロスを張るのではなく、その家で暮らす人が毎日を気持ちよく過ごせるように――そんな思いを持って施工しています。
Wise流・下地への異常なまでのこだわり
- 編集部:
-
やっぱり“下地”が肝心なんですね?
- 仲宗根:
-
そう。自分たちは、技術力を駆使してしっかりきれいに仕上げたい。
そのためには、時間も手間も惜しまない。リフォーム現場なんて特に、下地の悪い部分やコンクリートの凸凹は当たり前。
普通なら見えない部分はある程度で済ませる。でもWiseでは、まず総パテ(壁全体を薄くパテで覆い、フラットに整える工程)を入れます。
さらに下地調整、水性シーラーまで――一般的な工事では「そこまでやるの?!」ってレベルのことを、日常的にやっている。
- 仲宗根:
-
これがあるかないかで、仕上がりのきれいさは全然違うんです。だからこそ、この価値を理解してくれる人とだけ仕事をしたいと思ってるから。
夢が広がる「Wise村」構想
- 編集部:
-
これからの未来像は?
- 仲宗根:
-
市内に広めの土地を買って、そこにいくつものコンテナを置くんですよ。コンテナショップみたいな感じで。
一番やりたいのは、職人の技術向上のためのトレーニング施設。ここはWiseの職人だけじゃなく、これから職人を目指す人や、これまで少なかったけど挑戦してみたい女性の方にも開かれた場所にしたい。
本気で腕を上げたい人なら、誰でも思い切り練習できて、基礎から応用までしっかり身につけられる環境です。
それと、まだまだ働ける元職人が若手に技術を教える場も作りたい。引退して現場から離れたけど、何十年も積み上げてきた技術や知恵がある。それを埋もれさせるのは本当にもったいない。
若い子はベテランの手元を見て、直接教わって、現場で活かせるようになる。こういう場があったらいいなってずっと考えてたから。
あとは、一般の人が来て楽しめるショールーム。クロスや内装材を実物サイズで見られるようにして、国内外のさまざまな素材の中から「これだ!」というものに出会える場所にしたい。カタログじゃ小さすぎて、質感なんて分からないですからね。
道具も大事だと思ってるので、選び抜いた“本当に良い道具や作業服”を展示・販売するスペースも作りたい。もちろん、Wiseのオリジナル商品も置いて、誰でも手に取れるようにします。
職人も、メーカーさんも、一般の人も、みんなが来て楽しめる――そんな場所。ちょっと“職人ミュージアム”みたいな構想で、数年以内には実現したいと、みんなでワクワクしながら動き出しています。